1999年。この年は私の人生の中で忘れられない年となりました。
この年の4月に私は社会人人生をスタートさせました。
この年は、現在大きな社会問題となっている半導体不足がスタートした年でした。
そう、前回の大きな半導体ブームは、ITバブルと言われた1999年に起こりました。
そしてこの時は私は半導体メーカーに就職したのでした・・・。
2000年には携帯電話がたしか世界1億台と言われていた所から一気に4億台の需要に膨らみ
半導体不足は加速。結局私が辞める2005年時点ではまだ解消されていなかった記憶があります・・・。
ベテラン社員から「前回の半導体バブルは20年前だった。大きな半導体不足は20年に一度くるんだ。」
を言われたのを今でも覚えています。そしてまた20年経って本当にきたなと思いました。
当時は世界の工場として中国に集中していましたが、今ほど中国は台頭していなかったので、
安全保障という概念はなかったと思います。
現在はいろんな戦略物資が「安全保障」の名の元に自国生産もしくは調達ルートの見直しが
行われています。
世界各国の国々が。
「産業のコメ」と言われている半導体も同じくであり、またその原料のレアメタルを中国に依存しない国造りが
求められています。
当然最終製品は敵対国に依存しない。
作っても他国には売らない。特に敵国には。安全保障上そうなります。
今回の半導体不足はこういった世界情勢もかなり、私が現場で経験した半導体不足以上の事が起こっています。
かなり長期化すると思います。
もう一つの理由として、多くの電化製品や車に使われている半導体は今後生産が増強が期待できません。
スマートフォンやノートPCなどに使われる最先端の半導体は、半導体メーカーも儲かるので生産を増強します。
ただ、それ以外の半導体、つまり多くの電化製品や車に使われている半導体はいわば「枯れた製品」であり、
コストダウンが極限まで進み、生産を増強してもうまみがないからです・・・。
ここで「経済安全保障」の観点から、半導体メーカーをその国が守ろうとしたら、企業として生き残るためには
最先端の半導体の開発に今後も選択を強めさせるはずです・・・。(たぶん)
非常に今後も物不足など厳しい状況が続くと思います。