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2013年 06月 23日

scene359:ナニワ・カラーキット発売中止後のカラーネガフィルムの自家現像方法【20130915更新】

scene359:ナニワ・カラーキット発売中止後のカラーネガフィルムの自家現像方法【20130915更新】_e0253132_23351738.jpg

鞆の浦 ヨメ実家
HASSELBLAD 500C/M + CarlZeiss PLANAR 80mm f2.8
FUJICOLOR Professional PRO 400
現像by自由時間

カラーネガフィルムを自家現像する人にとっては安価で簡単な方法で自家現像できる「ナニワ・カラーキット」が販売中止になってどうしようと思っている人も多いでしょう。

私がカラーネガフィルムを自家現像をしようとした時には既にナニワ・カラーキットは販売中止しており、半年間は諦めていました。

でもどうしても諦めきれず、色々探したら見つけました。

今日はなかなかネットで検索しても出て来ないカラー現像の方法をお伝えします。
(モノクロ現像方法はほんと沢山あるのに、カラーはナニワ・カラーキットを使った現像方法ばかりで、ナニワ・カラーキットを使わない方法でのサイトは全くと言っていいほど無い。)

そのマイナーなカラーネガフィルム現像の方法の中で、メジャーなのはコダックのC-41プロセスですが私はフジフィルムをメインに使いますし、よく考えたら国産の富士フィルムを応援する意味でも富士フィルムを今後も使いたいと思いました。
だから自家現像も富士フィルムのCN-16プロセスをする事にしました。

しかし、CN-16プロセスはもっともっと情報が少ない。いろんな本やネットやブログのお友達の情報をかき集めて最後には日本の富士フィルムのサイトには自家現像の調合の量が載っていないので海外のデータから習得しました。(まさに執念・・・。)

私のブログをご覧になっている皆さんは少なからず自家現像にもご興味ある方がいらっしゃると思いますし、そももそもっとフィルム人口を増やしたいのが私の希望の一つなので今回記載する事にしました。



scene359:ナニワ・カラーキット発売中止後のカラーネガフィルムの自家現像方法【20130915更新】_e0253132_0565171.jpg

鞆の浦 ヨメ実家
HASSELBLAD 500C/M + CarlZeiss PLANAR 80mm f2.8
FUJICOLOR Professional PRO 400
現像by自由時間

ただ、あくまで自己責任でお願い致します・・・。

現像方法6/6page参考

フジ CN-16プロセス 1リットルの調合量 
*一番最初の処理液の作り方です。 その後はこの母液を元に使った分だけ一部廃棄し、
新しい補充液を継ぎ足していきます。

FUJIFILM CN-16L   Replenisher  Water   starter
N1 Colour Developer 747ml N1-R 198ml  55ml N1-S
N2 Bleach      667ml N2-R 333ml
N3-2 Fixer      333ml N3-R 667ml

予備水洗 35℃(適当) 5回撹拌×2
現像   31℃ 5分30秒 最初30秒連続撹拌 その後30秒ごとに5回撹拌を続ける。
水洗   35℃(適当)  5回撹拌×2、10回撹拌×2、20回撹拌×2
漂白   31℃ 6分30秒 最初30秒連続撹拌 その後60秒ごとに5回撹拌を続ける。
水洗   30℃(適当)  5回撹拌×2、10回撹拌×2、20回撹拌×2
定着   31℃ 6分30秒 最初30秒連続撹拌 その後60秒ごとに5回撹拌を続ける。
水洗   30℃(適当)  5回撹拌×2、10回撹拌×2、20回撹拌×2
最終処置 31℃ 30秒   ドライウェルに浸す。
乾燥   干す事1時間以上で完成。

先ほど申し上げた通り、全ての処理液は使い回しします。
ドライウェルは数十回使い回しできるようなので基本完全に使い回しです。
その他の処理液は使う度に処理液が疲労しますので、下記方法で計算した分だけ廃液し、補充します。
廃液は基本的にはそれぞれ別容器に保存して廃液業者に廃液処理を委託するか
大量の水で流します。
私はモノクロフィルムの場合は現像液、定着液ともに18ℓのポリタンクに廃液を保存しています。
ただ、カラーの場合は毎回捨てる量が非常に少ないので大量の水とともに流しています。

そもそも、モノクロ現像と違うのはこの「補充」という考えかもしれません。
モノクロフィルムは現像液も定着液も基本使い捨てです。

カラーの場合は現像補充液、漂白補充液、定着補充液と言います。
あくまで私が使っているのは業務用です。ラボで使っているのはある程度使用すると
使用回数に対して液を捨てつつ、補充(継ぎ足し)する様です。

つまり母液はフィルムを現像した事により疲労しています。それをフレッシュな液を
混ぜる事により元の状態に戻しているのです。
尚、補充液と言う事なので元々の能力は母液に比べると強く、本来なら現像できません。
(やり方によっては使える方法があるのですが、それは今回は取り上げないでおきます。)
なので母液を作る時に出てくる「starter」とはこの強い補充液の能力を少し弱めて現像できる
状態に戻すと言う事なのです。(ご理解頂けましたでしょうか?)

補充量の計算の仕方 
CN-16Lは,富士(カナダ)が公開しているProfessinal Data Guide (http://www.fujifilm.ca/documents/Fuji_Pro_Data_Guide.pdf) を見ると (今見たら見れない?)

【20130915更新】
アメリカ版はまだ公開しているようです。miranさん有難うございました!!
アメリカ版はこちらです。

135-24が1本あたりの補充量は,N1-R:21ml,N2-R:5ml,N3-R:8ml。
24枚撮と36枚撮でだいたい比例しています。

135-24が
N1-R:21ml,N2-R:5ml,N3-R:8ml
となるので

135-36は
N1-R
21×36/24=31.5ml 
N2-R
5×36/24=7.5ml 
N3-R
8×36/24=12ml

以上を36枚1フィルムを現像するごとに補充すれば良い。

尚、120フィルム1本につき、N1-R:35ml、N2-R:7ml、N3-R:11mlでやっています。
4x5換算で現像液は1枚あたり8mlとなります。

最後にCN-16プロセスのN1-RはA液とB液の2種類となりますので
例えば「747ml N1-R」の記載では
N1-R A液とB液を1:1の割合で747mlにします。

今日もご覧頂き有難うございます。
「参考になったぜい!!機会があったらやってみたいぜい!!」と思った方に
クリック頂けましたらとっても嬉しいです。d=(´▽`)=b
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by rangefinder-love | 2013-06-23 17:00 | 暗室・自家現像 | Trackback | Comments(17)
Commented by YOU at 2013-06-23 17:28 x
わかる人がみれば「すげーなるほど!」なんでしょうね。
将来?是非チャレンジしてみたいっす!まずはモノクロを何とか.....(笑)
Commented by rangefinder-love at 2013-06-23 18:04
★YOUさん
そうですよね(汗)
ある程度ご自身でネットで調べなければわからない事が多い記載になっていますが、ある程度調べても肝心な所がわからない・・・。
その肝心な所をまとめて記載しました。
それ以前の事はモノクロフィルムの現像の所で載っていますし(道具や現像の仕方)あとは本人のやる気次第です。
困ったときは鍵でご連絡頂ければ分かる範囲でですが、お伝えしますよ。
Commented by minton at 2013-06-23 21:55 x
僕は現像をしないので、あまりにハードルが高いんですが、いつかは挑戦してみたいです。
まずはモノクロに挑戦してみたいです。

今日の写真、とっても優しさが溢れています。
ハッセルとフィルムだから出る優しさだと思いました。
Commented by azukiyarou at 2013-06-23 23:41
とても興味深く読ませていただきました。
カラー自家現像で検索してもなかなか資料が無い中、これだけの事ができるのがホントに凄いです!
試してみたくてうずうずなのですが、薬液の入手と温度管理がハードルです。現像場所の水道からお湯が出ないので、悩みどころですね(^^ゞ。
ただ、冬のモノクロ現像用に熱帯魚用サーモスタットをバットにつけてみようと考えてボチボチさがしてみようと思っていたので、そういったものも含めて環境整備できないかな~と思っています。

Commented by rangefinder-love at 2013-06-24 00:19
★ mintonさん
と言う事で、 mintonさんのリクエストにお答えして明日はモノクロフィルム現像編です。
mintonさんの背中を押しまくりですね。
Commented by rangefinder-love at 2013-06-24 00:20
★ azukiyarouさん
薬液の入手はまたご決心ついた時に鍵コメでご連絡下さい。
恒温器については明日の記事に載せましたよ〜。
Commented by ミノチャゲ at 2013-06-24 00:58 x
私のブログへのコメント、ありがとうございました。
廃液処理の記事へのリンクの件、全然OKです。
殆ど自己満足ブログと化しているので、お役に
立てるのであれば、光栄です。
こちらからもリンクさせてください。
Commented by voyagers-x at 2013-06-24 05:49
おはようございます‼
フィルムの写りは味わいがありますね。最近はフィルムで撮影しても自分で現像はしないプロも多いとか。きちんとした形あるもので保存出来るのがフィルムの素敵な所かもしれないですね。
Commented by hattivatti at 2013-06-24 21:16 x
お久しぶりです。
薬液は普通に入手できるんですね~。
我が家には未使用のナニワカラーがまだ半分あるのですが
使ったら最後なので現像に躊躇しておりました。
こんどチャレンジしてみようかな~?
Commented by rangefinder-love at 2013-06-24 22:53
★ミノチャゲさん
こんばんは。早速のご返信有り難うございました。
そしてすいません。ミチャゲさんだと勘違いしてました。
(私そういうとこおおいんです・・・。)
記事は修正しました。お許し下さい。
それからリンクよろしくお願い致します。
この度は本当に有難うございました。
Commented by rangefinder-love at 2013-06-24 22:55
★ voyagers-xさん
この味わいはいったいなんなのでしょうね?
キレイに取るにはすでにデジカメが上だと思います。
でも違うものがフィルムにもありますよね。

尚、私ももしプロなら現像のプロに任せるかもです。
Commented by rangefinder-love at 2013-06-24 23:10
★ hattivattiさん
普通にはちょっと入手はできないかもです。
業者になりすまして、大人買い(業者買い:大量)しています。
個人には販売してくれませんので・・・。(でも安いですね)
でもヨドバシカメラに売っているコダック製の物でもできるようですね。

ところで、お家計画は順調ですか?

私が写った写真をデータで頂きたいです。
もちろん hattivattiさんが写ったデータもお渡しします。
お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。

あと、ベビー用品有り難く使わせて頂いております。
Commented by miran at 2013-09-22 16:01 x
はじめまして
カナダ版では見れなくなっているProfessional Date Guideですが、このデータのことでしょうか。アメリカ版はまだ公開しているようです。
http://www.fujifilmusa.com/shared/bin/ProfessionalFilmDataGuide.pdf
Commented by rangefinder-love at 2013-09-22 22:27
★ miranさん
初めまして〜!
わぁ〜!!!すごい!!
最高の情報を有難うございます。
もしブログをお持ちでしたらアドレス教えてほしいです。
(リンクされていないので)
早速修正しますね!!
Commented at 2016-12-03 19:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rangefinder-love at 2016-12-04 22:49
> 鍵さんへ。いいですよ。でもご連絡先(メール)かご自身のブログのアドレスを教えてください。
Commented at 2016-12-05 12:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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